苗木の育て方

①苗木の取り扱い

苗木は、根部を直射日光及び風になるべく当てない様にして下さい。枯死の原因になります。

②苗木の消毒

植え付け前に根の消毒をお勧めし、消毒した後は、根が乾かないうちに植え付けして下さい。

③植穴

1)庭植えの場合
苗木の生育及び実を多く収穫するために、植穴は、大きい方が良い。掘り上げて、中に完熟堆肥、化成肥料少々、バーク堆肥をよく混和しておきます。

2)鉢植えの場合
上説同様に、鉢も大きめのものを用意し、用土も同様ですが、水はけを考えて鹿沼土を混ぜてはいかがでしょう。

 
④植え付け

秋植え、春植えに拘らず、苗木の根を半日~1日位水に浸して十分に吸水させてください。また、苗木の接木部にビニールテープが巻かれている場合は取り除き、根の先端を少々切り戻してください。(新しい根を出やすくするため)
苗木は全て接木部が土に隠れる位(深植えはしない)に土をかけてください。(自根を出した方が苗木が健康に育ちます。)

土をかけたら軽く踏みつけ、多量の水をかけます。
植え付け時間に余裕があれば、植穴を水田状にした中に植えると苗木の活着が最高になります。
寒さに弱い、発芽が遅れる、細根が少ない等の品種、柿・梨・カリン・マルメロ・イチジク類等は、秋植え、春植えに拘らず根元に敷ワラ、苗木の幹に幹巻きをするとより効果的です。敷ワラは他にも、雑草防止や腐れば有機肥料になるので行ってください。
苗木の地上部を切り詰める長さは、樹種や剪定の仕方によって異なりますが、下記内容を参考にして行ってください。また、切り口には、保護のためトップジンペーストを塗ると良いでしょう。

 

・ポット1年生苗の場合(姿は主幹より横枝が出ていない)

お店で販売されている苗木はポット入りが殆どです。1年生苗木はポットの中で新しい根が発根していないので、定植する時は、ポットをやさしく取り、中の土が崩れない様に植穴に入れます。鉢植の時も同じ方法です。崩れてしまったら、ハダカ苗と同じ植え方で行って下さい。(根の先端は切ってあるので、そのままで良い)仕上げは前の説明と同様にして下さい。

・ポット2年生苗の場合(姿は主幹より横枝が出ている)

2年生苗木は春先(発芽前)にポットに植え込んだ苗でポットの中で新しい根が伸びて、ポットの中を回っている状態です。ポットをやさしく取り、今後の活発な生育のために回っている根を少々カッターナイフなどで浅く切るか、根鉢全体が崩れない様に表面の土を少々落として、新しい根を出させる環境を作ります。この作業をしないでそのまま植え付けると品種によってなかなか力強い枝が出てきません。1年以上も生育しない、または生育が見られない苗もあります。

⑤植え付けが完成したら

植え付けが完了したら、1年~3年位は、風よけ支柱を立てて下さい。植え付け後、降雨が少ない時は充分水やりをし、秋植えの苗木の施肥は4月~5月頃に、春植え苗木は、6月~7月頃にします。
また、多量の施肥は生育に支障があるので控えめにして下さい

⑥失敗しないアドバイス

果樹苗木は、数多くの楽しみを私達に提案しています。
地域により寒さ、暑さ、土質、冬場の環境、夏の昼夜の温度差、定植している環境など色々な条件が木の生育、実の結実、実の食味など1年先の結果に現れます。木は、正直です。解らない時は、書籍の果樹栽培の手引きを見たり、各県にある公的機関(普及センター内果樹部)を利用することにより各地域に合った果樹の品種選びや、栽培技術など管理面に於いても的確なアドバイスをいただけると思いますので、楽しみの果樹に挑戦して下さい。